アリュメール通信
肝蔵の働き「筋(きん)」について [コラム]
随分と温かくなってきました。
もうすっかり春ですね。
街を歩いていると色んな花が咲きだしていますし、木々の新芽も萌え出しています。
古代人は自然を観察するうちに一つの周期に気付きます。
一年というサイクルですね。
春・夏・秋・冬と季節が巡ってまた春がやってきます。
古代の中国人はここから宇宙を統括する法則を導き出しました。
陰陽五行説です。
自然の変化を陰陽のバランスと五行という五つの要素の移り変わりに求めたのです。
古代中国人はこの理論をあらゆることに利用しました。
これを人の身体に応用したものが東洋医学です。
基本はすごく単純です。
「自然界で春になると木々が伸びだすので、人体でも木々が伸びだそうとしている。」です。
つまり春になると五行の要素の「木(もく)」のエネルギーが強くなるってことですね。
では人体で「木」に相当するものは、というと内臓では肝蔵になります。
ちなみに、蔵は誤字ではありません。
現代医学の肝臓と名前は同じですが、働きや意味することが随分と違うので、慣用的に蔵の字を使っています。
さて現代医学の肝臓は色々複雑なことをしています。
エネルギーを貯めておく。
毒を壊す。
消化に必要な胆汁を作る。
等々。
科学が進んだ現代でも人工肝臓を作ることは難しいようです。
作るとすればビル程のサイズになるともいわれます。
東洋医学の肝蔵も色々なことをしています。
目を見えるようにしていたり、血(これも血液とは意味するところが違うのでケツと読みます)をおさめて血のエネルギーを回復させたり、決断力に関係していたり。
今回はその肝蔵の働きの中で「筋」に注目したと思います。
筋はキンと読み、今でいう筋肉や腱のことを総称しています。
春になると木々が伸びる様に、手足や身体の筋肉が伸び伸びとしていくイメージですね。
ところがここで問題が起こります。
筋は伸び伸びと伸びていきたいのですが、栄養している血が足りないことがよくあるのです。
この結果、総称して筋違い(すじちがい)を起こすのです。
筋違いはあらゆる場所に起こります。
首に起これば寝違えに、ふくらはぎに起こればこむら返りに、腰に起こればぎっくり腰と名前を変えます。
名前は変わっても部分で起こっていることは同じ筋違いなのです。
予防策としては
「暴飲暴食をさけること」
「睡眠をよくとること」
「身体を冷やさないこと」
「軽いストレッチをすること」
等が挙げられます。